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【総まとめ】1冊6万円の亞書を国会図書館が返却し発行者に代償金136万円返還請求へ

昨年国会図書館が購入した書籍が大きな話題を呼びました。高額な割にギリシア文字の羅列で文献的価値が無い書籍「亞書(あしょ)」が法律により136万円もの税金で購入されネット上で炎上しましたが、ついに国会図書館が書籍の返却と代償金の返還請求を発表し解決へと動き始めました。その一連の流れを解説します。

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亞書(あしょ)って何?

亜書」は2013年に26歳の男性が1人で設立・運営する「りすの書房」(現在倒産しているとのこと)から発売され、定価がなんと64,800円もする書籍です。

著者は「アレクサンドル・ミャスコフスキー」。中身はギリシア語を即興で打ち込んだもので、著者も架空の人物であり、亞書という書籍名もひらめきでつけたとのことです。

冊数は2015年2月に1巻が発行されてから最終的に96巻まで発行され、単純に全てを購入すると 64,800円×96(巻)=6,220,800円 が必要となります(実際に代償金が支払われたのはそのうち42冊)。即興で無作為に打ち込んだギリシア文字の本にこれはちょっと高い。

なぜ国会図書館はこの本を購入したのでしょうか?理由は国会図書館法にあります。

納本制度(国会図書館法)と代償金

国会図書館は主に日本の国会議員が調査研究をするために全ての出版物を所蔵する唯一の図書館として設立されました。行政機関の職員や18歳以上の人であれば国籍問わず誰でも利用することができます。

調べ物をするためにはすべての本を置いておく必要がありますし、文化財保護の観点からも日本で出版された本は保管する必要がありますから、国会図書館法25条により、出版社が書籍を出版(再販も含む)した時は30日以内に国会図書館に納入することが義務付けられています(納本制度)。また、納入の対価として定価の50%程度の金額と送料が代償金として支払われることになっています(代償金)。

国会図書館法第二十五条
前二条に規定する者以外の者は、第二十四条第一項に規定する出版物を発行したときは、前二条の規定に該当する場合を除いて、文化財の蓄積及びその利用に資するため、発行の日から三十日以内に、最良版の完全なもの一部を国立国会図書館に納入しなければならない。但し、発行者がその出版物を国立国会図書館に寄贈若しくは遺贈したとき、又は館長が特別の事由があると認めたときは、この限りでない。

3 第一項の規定により出版物を納入した者に対しては、館長は、その定めるところにより、当該出版物の出版及び納入に通常要すべき費用に相当する金額を、その代償金として交付する。

つまり、本を定価の5割で国会図書館が買ってくれることになります。仮に亞書96巻を全て納本した場合、定価の5割だと311万円程度ということになります(°ω°)

代償金の請求をしなければ寄付扱いになるだけですが、納本をしないと定価の5倍の金額の過料(かりょう)が課されます。亜書の場合、622万円×5=3110万円と莫大な金額に(°ω°)

国会図書館法第二十五条の二
発行者が正当の理由がなくて前条第一項の規定による出版物の納入をしなかつたときは、その出版物の小売価額(小売価額のないときはこれに相当する金額)の五倍に相当する金額以下の過料に処する。
2 発行者が法人であるときは、前項の過料は、その代表者に対し科する。

実際に株式会社りすの書房から国会図書館へ発送された亞書は1〜78巻の合計78冊で、そのうち代償金が支払われたのは42冊。亜書は定価6万円+消費税(8%の4,800円)の計64,800円で、代償金総額は 648,000円×42×50%=1,360,800円に送料を加えた金額が支払われているはずです。高額な芸術的値付けであってもきちんと5割支払われる規定のようです

ネット上で炎上「代償金目当てでは?」

しかし文献としての価値がなく製作者側も「芸術品」と主張しているようで、そのような書籍に税金を100万円以上支払っていることから「代償金目当てでは」とネット上で炎上。

詐欺ではないのか?という世論が多数ある中、「法律で納本が義務付けられている以上詐欺に該当しないのでは」といった意見も見られます。

内容関係なくどんな本でも納本すれば代償金がもらえるのはおかしいのではないか?同人誌も納本制度を利用できるのではないか?という意見もあります。

納本義務があるのは書物を出版する国・地方自治体・民間出版社なので、他人の本を納本しても代償金はもらえないようです。

同人誌の作者が出版社に該当すれば納本制度が利用できる可能性もあるんでしょうか?

ついに国会図書館が動く。亜書を返却し136万円の代償金返還を求めると発表

発行者の芸術的意図はともかく、本来の国会図書館設立の趣旨である「文化財の保護」に該当しない文献的価値の無い書籍にまで納本制度が適用されるのはさすがにおかしいと判断したのか、国会図書館が発行者に亞書を返却し、代償金136万円の返還を請求すると発表しました。

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引用元:2016年2月2日 『亞書』の返却及び代償金返金請求について(国会図書館Webサイト)

亞書への対応のきっかけとなったのはネットでの炎上が原因だったようです。

平成27年10月以降、『亞書』について、ギリシャ文字等をランダムに配した解読不能な本であるとして、出版の目的等についてインターネット上で話題になったこと等を受けて、発売元に事情を聞き、頒布実態等を調査してきました。

引用元:2016年2月2日 『亞書』の返却及び代償金返金請求について(国会図書館Webサイト)

調査により「頒布部数が少ない」点と、ギリシャ文字等をランダムに配した解読不能な本であり「国立国会図書館法に列挙された出版物に該当しない」点が納入義務の対象には当たらないものと判断し、返却・返金を求めることにしたとのことです。

なお、亜書は現在Amazon.co.jpで販売停止となっています。

株式会社りすの書房の実態と国会図書館の対応へのコメント

調べたところ、東京都墨田区の東京スカイツリー付近にある建物の中に存在したようです。2階建ての建物で、1階部分では理容室が営業を行っています。

Googleストリートビューで見たところ、出版社を営業していたという雰囲気はありません。

なお、2016年2月3日に株式会社りすの書房は次のようなコメントを公式サイト(http://lysno.co.jp)上で公表しています。

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引用元:株式会社りすの書房

平成27年11月20日に株式会社りすの書房は解散しているとのことです。

Twitterの反応

テレビニュースにもなったようです。

新聞にも掲載。

今後は審査も厳しくなることが予想されるので厳しそうです。制度を悪用すれば詐欺罪にも問われかねません。

正直見てみたいです。

ざわざわ・・・(°ω°)

確かに。

鼻水吹き出した(°ω°)

本の形をした芸術作品であれば文献的価値のある書物とは言えないでしょうし、国会図書館法に定める納入義務に該当しない可能性が高いでしょう。


国会図書館は18歳以上の人なら誰でも利用することができます。初回の利用には住所連絡先等の登録をして入館カードを発行してもらう必要があります。

毎日数百冊の書籍が出版されると言われる現代、すべての本を中身も含めて確認するには膨大な労力がかかりそうですね。

りすの書房について調べている記事もありますね。

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