MVNOの格安SIMを家族で利用しようと考えているが、実際どのMVNOを利用すれば良いか迷っている方も多いかと思います。
そこで、今回は主要MVNOであるIIJmio・mineo・BIGLOBE・DMMmobile・イオンモバイル・OCNモバイルONEのシェアプランを比較したいと思います。いずれも契約事務手数料として契約時に3,240円かかります。
なお、特別の記載がない限り、金額はすべて税抜表示です。
目次
IIJmioなら、最大10人でシェアできる
ファミリーシェアプランとは?
IIJmioには、ファミリーシェアプランというものが用意されており、このプランでは、最大10枚のSIMで月々10GBのデータ通信利用量をシェアすることができます。例えば、4人家族の場合は、4人で月々合計10GBのデータ通信を利用することができ、3GB・3GB・2GB・2GBといった感じでシェアできるというわけです。また、IIJmioの場合は余ったデータ通信利用量は翌月に繰り越すことができるので、データ通信利用量に余りが出てくればより余裕をもって利用できます。
月々の利用料金と最低利用期間は以下のとおりです。
タイプ | SIM | 月額料金 |
---|---|---|
タイプA (au回線) |
SMS対応 | 2,560円 |
音声通話 | 3,260円 | |
タイプD (docomo回線) |
データ | 2,560円 |
SMS対応 | 2,700円 | |
音声通話 | 3,260円 |
いずれのSIMも、最低利用期間が利用開始日の翌月末日までとなっていますが、音声通話SIMの場合は、解約時期に応じて解除調定金が発生するので注意が必要です。
ちなみに、SIMの追加発行には2,000円/枚かかります。
ただ、このプランだと限られたデータ通信利用量(クーポン)を複数人で分けて利用することになるので、特定の人が使いすぎて他の人が困るといったことが起こる可能性があります。クーポンが足りなくなったら、100MBにつき200円で購入できます。追加クーポンの料金は高めに設定されているので、普段の利用状況を考慮して10GBで足りるかどうかを検討したほうが良さそうです。
通話料を最大8円/30秒に抑えられる
MVNOの場合、通話料金が高い(20円/30秒)ですが、家族間の利用であれば「ファミリー通話割引」が適用され、通話料金を16円/30秒に抑えることができます。さらに「みおふぉん」というアプリから発信すると、その半額である8円/30秒にまで抑えることができます。
MVNOを利用するようなユーザーであれば、おそらく大抵の連絡はLINEやフリーメールなどで済む場合が多いでしょうが、いざ電話が必要な時にこれだけ通話料を抑えられるという点では安心感があるかと思います。特に、緊急通報(110・110など)が使えるのはデカイです。
他にも、IIJmioの場合はアプリ上で低速通信に切り替えることによって、月々利用できるデータ通信利用量を節約することができます。低速通信の状態では、インターネットやLINE、メールを使うのがやっとかなというレベルです。低速通信でテザリングをした場合は、時間帯によるところが大きいですが、インターネットやLINE、メールくらいであれば概ね使えるかと思います。
mineoなら、余った通信量だけシェア
mineoのシェアプランは、IIJmioのように契約したデータ通信量を複数のユーザーでシェアするのではなく、独立した回線を複数契約しそのユーザー間でシェアすることが前提となっています。なので、特定の人がある月の通信量を使い過ぎると全員が使えなくなるという、シェアプラン特有のデメリットがmineoには当てはまりません(`・ω・′ )
さらに、MNP以外の解約に関しては、違約金がかからないという強みもあります。
mineoで用意されているプランの月額料金は以下のとおりです。シングルはデータSIM、デュアルは音声通話SIMのことです。1GBプランのみ初月だけ1GB追加され合計で2GBのデータ通信が利用可能となっています。
▼Aプラン(auプラン)
タイプ | 500MB | 1GB | 3GB | 5GB | 10GB |
---|---|---|---|---|---|
シングル | 700円 | 800円 | 900円 | 1,580円 | 2,520円 |
デュアル | 1,310円 | 1,410円 | 1,510円 | 2,190円 | 3,130円 |
▼Dプラン(docomoプラン)
音声通話SIMに関しては、Dプランの方が若干高めです。
タイプ | 500MB | 1GB | 3GB | 5GB | 10GB |
---|---|---|---|---|---|
シングル | 700円 | 800円 | 900円 | 1,580円 | 2,520円 |
デュアル | 1,400円 | 1,500円 | 1,600円 | 2,280円 | 3,220円 |
ちなみに、DプランのシングルタイプにSMS機能を追加する場合は、120円/月の料金がかかります。デュアルタイプは無料です。
デュアルタイプ(音声通話SIM)の場合は、通話の際には原則20円/30秒の通話料金が発生しますが、近々mineoからも専用の通話アプリ(仮称:mineoでんわ)が登場する予定なので、このアプリから発信すれば通話料を半額に抑えられます。また、「通話定額30」(月額840)では30分の通話を、「通話定額60」(月額1,680円)では60分の通話を定額で利用できます。さらに、2017年3月から5分かけ放題サービス(月額850円)も登場する予定です。
mineoでも通信量節約機能が提供されており、低速通信に切り替えることによって通信量を節約できます。なお、月々の通信量を使いきってしまった場合は、100MBにつき150円で追加購入できます。IIJmioよりも安くなっていますね(・ω・)
パケットシェアで余った通信量を効率よく活用できる
mineoの場合はパケットシェア(無料)というプランが用意されており、余ったデータ通信量に限ってユーザー間でシェアすることができます。例えば、AさんとBさんがそれぞれ3GBずつ契約し、初月はAさんが2GB、Bさんが3GB使った場合、残りの1GBに関しては翌月にAさんとBさんでシェアできるということです。
シェアできるのはあくまでも余ったデータ量のみというところがIIJmioと大きく異なっており、特定のユーザーが使いすぎてもめるということはあまりないかと思います。
パケットギフトで今月分の通信量もシェアできる
パケットギフト(無料)では、当月分のパケットもシェアすることができます。
どういう時に使うかというと、追加クーポン料金の節約に役立ちます。例えば、3GBのプランを契約しているBさんが月の途中で3GBを使いきってしまった場合、Bさんは追加で1GBの通信量を1,500円で購入しても良いですが、かなり高くなってしまいます。
そこで、Aさんは、Bさんに当月分の通信量(3GB)のうち1GBをパケットギフトで与えることができます。これで、翌月になってから1GBを与える場合に比べて、Bさんが1GBの通信量を追加で購入する費用を節約することができます。
もちろん、AさんはBさんに1GBを与えた分、通信量が足りなくなって追加で通信量を購入する必要が出てくる可能性がありますが、少なくともパケットギフトを使った時点ではAさんはBさんよりもデータ通信量が余っているわけですから、Bさんに比べたら追加で購入する通信量が少なく済む可能性が高いです。
このパケットギフトを活用することによって、家計全体にかかってくる通信料金を節約することができるというわけです(ノ)・ω・(ヾ)
複数回線割と家族割でSIM1枚につき50円割引
これは月々の出費において微々たるものかもしれませんが、「複数回線割」というものがあります。複数のSIMを契約すると、自動的にSIM1枚につき50円の割引がされます。もっとも、複数回線割が適用されるのは契約の翌月からで、最大5枚までとなっています。
家族で複数回線を契約した場合は、「家族割」が優先的に適用されるようになっており、こちらは離れて暮らしていても適用されます。内容的には複数回線割と同じであり、複数回線割と同時に適用されることはありません。
家族割はmineoが定める3親等内に限られています。
BIGLOBEでは、最大4枚のSIMを追加できる
BIGLOBEのプランの月額料金は以下の通りとなっており、6GB以上のプランに最大4枚のシェアSIMを追加することができます。
SIM | 6GB | 12GB | 20GB | 30GB |
---|---|---|---|---|
データSIM | 1,450円 | 2,700円 | 4,500円 | 6,750円 |
SMS対応SIM | 1,570円 | 2,820円 | 4,620円 | 6,870円 |
音声通話SIM | 2,150円 | 3,400円 | 5,200円 | 7,450円 |
※BIGLOBEの接続サービスを利用している場合は、216円安くなります。
データSIMにSMS機能を追加する場合は、これに120円/月の料金が加算されます。音声通話SIMの場合は、通話の際に原則20円/30秒の料金がかかりますが、Biglobeでんわアプリから発信すると10円/30秒に抑えることができます。さらに、「通話パック60」では、月額650円で最大60分の通話を定額で利用でき、「3分かけ放題」では月額650円で1回あたり3分以内の通話を定額で利用できます。
BIGLOBEでは、6GB以上のプランには最大4枚のSIMを追加できます。シェアSIMの追加費用として3,000円/枚かかる上に、音声通話SIMが900円/月・SMS対応SIMが320円/月・データSIMが200円/月の料金が発生してくるので注意が必要です。例えば、音声通話SIM(12GB)を契約して、12GB分のデータ通信利用量を4人で3GBずつシェアするために3枚のSMS対応SIMを追加する場合は、3,400円の基本料金に加えて960円/月(=320円/月×3)の料金がかかってきます。となると、トータルで価格料金は4,360円/月となります。
なお、音声通話SIMには1年間の最低利用期間があり、1年以内に解約した場合は8,000円の違約金がかかります。
DMMモバイルは通信料金がとにかく安い!
DMMモバイルのシェアプランの最大の特長はデータ通信利用料がかなり安い点で、データ通信利用量が多いユーザーにお得な格安SIMです。通信量のラインナップも充実している上に、3枚のSIMのどれをデータSIM・通話SIMいずれかに設定することができます。
通信量 | 月額料金 | |
---|---|---|
データSIM3枚 | 8GB | 1,980円 |
10GB | 2,190円 | |
15GB | 3,600円 | |
20GB | 4,980円 | |
データSIM2枚 + 通話SIM1枚 |
8GB | 2,680円 |
10GB | 2,890円 | |
15GB | 4,300円 | |
20GB | 5,980円 | |
データSIM1枚 + 通話SIM2枚 |
8GB | 3,380円 |
10GB | 3,590円 | |
15GB | 5,000円 | |
20GB | 6,680円 | |
通話SIM3枚 | 8GB | 4,080円 |
10GB | 4,290円 | |
15GB | 5,700円 | |
20GB | 7,380円 |
なお、SMSを利用する場合は、さらに150円/月のオプション料金がかかります。通話SIMの場合は、通話の際に20円/30秒の料金がかかります。
あと、DMMmobileでは、IIJmioやmineoと同様に低速通信に切り替えることによって月々のデータ通信利用量を節約することもできます。なお、通信量が足りなくなったら追加で通信量を購入することができます。繰越なしのデータ通信利用量であれば1,000MBにつき480円で購入できかなり安くなっています。
通信量 | 料金 | 有効期限 |
---|---|---|
100MB | 200円 | 購入月の3ヶ月後の末日 |
500MB | 600円 | 購入月の3ヶ月後の末日 |
1,000MB | 1,100円 | 購入月の3ヶ月後の末日 |
1,000MB (繰越なし) |
480円 | 購入月の末日 |
ちなみに、データSIMの最低利用期間は契約月の末日まで、音声通話SIMの場合は1年間となっています。音声通話SIMを1年以内に解約する場合は、9,000円の違約金がかかります。
イオンモバイルでは、大容量プランが充実
イオンモバイルのシェアプランでは、音声通話SIM1枚とデータ通信専用SIM2枚で契約した通信量を利用できるプランが提供されています。3枚のSIMで契約した通信量をシェアできるわけです。
プラン名 | 通信量 | 月額料金 |
---|---|---|
シェア音声4GBプラン | 4GB | 1,780円 |
シェア音声6GBプラン | 6GB | 2,280円 |
シェア音声8GBプラン | 8GB | 2,980円 |
シェア音声12GBプラン | 12GB | 3,580円 |
シェア音声20GBプラン | 20GB | 5,280円 |
シェア音声30GBプラン | 30GB | 7,280円 |
シェア音声40GBプラン | 40GB | 8,280円 |
シェア音声50GBプラン | 50GB | 11,100円 |
音声通話SIMでは、通話料が20円/30秒かかります。
DMMの20GBシェアプラン(通話SIM1枚+データSIM2枚)と比較すると数百円程度安い料金設定となっています。30GB・40GB・50GBの大容量プランも用意されているので、月々の通信利用量が多くなりがちなユーザーでも安心して利用できます。
データ通信専用SIMには、140円/月でSMS機能を付けることができ、音声通話SIMを追加する場合は700円/月の料金が加算されます。
また、通信量が足りなくなってきた場合は、1GB分のデータ通信利用量(繰越なし)を480円で購入できます。ただし、追加できるのは月3GBまでとなっています。DMMmobileの場合は特に制限されていないので、この点ではDMMmobileの方がオススメです。
OCNモバイルONEでも通信量をシェアできる
OCNモバイルONEでは、最大5枚のSIMで通信量をシェアすることができるので、家族で利用する方はもちろん、スマホやタブレットを複数台持ちたいユーザーにもオススメです。
コース | データSIM | SMS対応SIM | 音声対応SIM |
---|---|---|---|
110MB/日 | 900円 | 1,020円 | 1,600円 |
170MB/日 | 1,380円 | 1,500円 | 2,080円 |
3GB/月 | 1,100円 | 1,220円 | 1,800円 |
5GB/月 | 1,450円 | 1,570円 | 2,150円 |
10GB/月 | 2,300円 | 2,420円 | 3,000円 |
20GB/月 | 4,150円 | 4,270円 | 4,850円 |
30GB/月 | 6,050円 | 6,170円 | 6,750円 |
15GB/月 (最大:500Kbps) |
1,800円 | 1,920円 | 2,500円 |
ちなみに、利用開始月の利用料金は無料です。
日々または月々の通信量を使い切ったら、通信速度が200Kbps以下に制限されます。月々の通信利用量がどれくらいかつかめていない方でも、毎月1回自由にコース変更ができるので安心です。
ちなみに、音声通話SIMでは、通話料が原則20円/30秒かかりますが、OCNでんわアプリから発信すると10円/30秒で通話できます。
通常、SIMを追加する際に、データSIM・SMS対応SIMに関しては1,800円/枚、音声通話SIMに関しては3,000円/枚の初期費用がかかりますが、今ならキャンペーンで無料です。また、データSIMに400円/月、SMS対応SIMに520円/月、音声通話SIMに1,100円/月の料金がかかります。
音声SIMの場合は6ヶ月間の最低利用期間があり、6ヶ月以内に解約した場合は8,000円(不課税)の違約金がかかります。
まとめ
以上、主要MVNOのシェアプランを比較しましたが、シェアプラン特有のお得感があるのは、余った通信量だけシェアできるパケットシェアがあり、通信速度も比較的安定しているmineoではないかと思っています。
あと、IIJmio・BIGLOBE・DMMmobileも利用状況によってはお得になるかと思います。イオンモバイルも30GB・40GB・50GBのプランまで用意されているという強みがあります。
ただ、OCNモバイルONEに関しては、通信量をシェアして利用する場合はこれといった特徴がありませんが、一日ごとに通信量が定められているプランを個別で利用すると、データ通信量が足りなくなってスマホが使えなくなるということがなさそうです。
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