10月13日から3回に渡ってフォローアップ会合が開かれ、スマートフォンの端末購入補助の適正化やSIMロック解除の円滑な実施に関するガイドラインが策定されました。
それによると、今後は端末の実質価格は上昇傾向になるものの、各キャリア代表はその分は通信料金などに還元していくとの意向を表明しています。
また、SIMロック期間も100日間に緩和され、2017年8月1日から適用される見通しです。さらに、端末を一括支払いで購入した場合は端末代金支払後にSIMロック解除を可能にするという対応も求められ、これについては2017年12月1日から適用される見通しです。
目次
iPhone7の実質価格は最低17,000円程度に
日本では、実質0円やCB(キャッシュバック)といった過度な端末購入補助が行われ、2年毎にキャリア間をMNPするユーザーと長期利用ユーザーとの不公平が生じているという状況がありましたが、今回の改正ガイドラインが策定されそれが是正つつあります。
「過度な」端末購入補助といっても実際の販売価格は様々でどの程度の端末購入補助なら適正なのかという点が論点となっていましたが、結果的には端末の実質価格の下限は、同じシリーズのスマートフォンの2年前のモデルの下取り価格とするということです。例えば、iPhone7の実質価格の下限はiPhone6の下取り価格になるということです。docomoの下取り価格を参考にすると、17,000円程度ということになります。
一方、ガラケー(フィーチャーフォン)からスマートフォンへの移行、3G対応端末から4G対応端末への移行については促進させるべきという考えから、むしろ規制が緩和される見通しです。
…事業者は、端末の販売状況等を踏まえて在庫の端末の円滑な販売を図ることが必要な場合、携帯電話の通信方式の変更若しくは周波数帯の移行を伴う場合又は廉価端末の場合には、スマートフォンの価格に相当するような行き過ぎた額とならない範囲で、端末購入補助を行うことができる。
※赤文字と下線は管理人が入れています。
SIMロック期間は100日に短縮へ
現状では、SIMロック解除の対象は2015年5月以降に発売された端末となっています。iPhoneでいうと、iPhone6s/6s PlusやiPhoneSE、iPhone7/7 Plusが対象です。
キャリアによって若干期間や条件が異なりますが、端末の不正取得防止の観点から概ね6ヶ月のSIMロック期間が定められています。
- docomo:6ヶ月
- au:180日間
- SoftBank:180日間
docomoに関しては例外になる場合があるものの、基本的にはこの期間を経過しなければキャリアで購入した端末のSIMロックを解除することはできず、契約中のキャリアのSIMか、そのMVNOを利用するしかありません。(一部例外あり。それについては後述)
そこで、SIMロック期間の短縮が求められていたわけですが、SIMロック期間をどこまで短縮するかという大きな問題がありました。
結果的には、100日間という方針がガイドライン案に記載されました。これについては、2017年8月1日から適用される見通しです。そして、一括支払いで購入した端末に関しては、端末の支払いが確認できた時までの期間に短縮するよう求められています。これについては、2017年12月1日からの適用見込みです。
MVNOに対するSIMロックも禁止へ
docomoの端末であればSIMロックを解除しなくてもdocomo系MVNOのSIMを利用できますが、auとSoftBankは少々状況が異なります。
auの場合も、基本的にはSIMロックを解除しなくてもau系MVNOであるUQmobileやmineoのSIMを利用できますが(IIJmioはSIMロック解除が必要)、auのVoLTE対応端末でau系MVNOのSIMを利用するためにはSIMロック解除が必要です。また、SoftBankの端末で「Hitスマホ」(SoftBank系MVNO)のSIMを利用する場合でもSIMロック解除が必要であるようです。
こういった状況を受けて、キャリアのMVNOに対するSIMロックも禁止する方針であるということです。
docomo端末であればSIMロック解除をしなくても利用できることを考えると、これは事実上auとSoftBankに対する規制といえるでしょう。これについては、2017年8月1日以降に発売される端末に適用されるということです。
総務省では、今回策定したガイドラインについて12月19日まで意見を募集しており、提出された意見を踏まえてさらにガイドラインの改正を行うということです。
ソース:ITmedia
コメント