Windows 7 はいまだにWindowsでの最大シェアを誇っており、Windows XP 最強時代から Windows 7 最強時代を迎えていますが、Windows8→8.1の時代を一瞬で通り過ぎ Windows 10 の時代が到来しようとしています。
Windows10 は最後のアップグレードであり、今後はAppleのOSXのようにWindows10がアップデートしていくことになりますが、ライセンス認証に関しては史上最も過酷な内容となっており、安易なアップデートは危険ですのでご注意ください。
目次
パーツ交換でライセンスが終了、無価値に?マザーボード交換はアウト
Windows 10 はパーツ交換をするとライセンス認証が切れる可能性が高いです。Microsoftによれば「大幅なハードウェア変更」でライセンス認証が切れるとのことですが、問題のない交換の例がなく、どこか1箇所を交換しただけでライセンス認証が通らなくても文句がいえません。
Windows7が32bitなので10にする時に64bitに移行するつもりやけど、Windows10にするとハードウェアの交換に制限つくとかいう噂を聞いて躊躇ってる。
— のりしお (@norisioo) March 14, 2016
Windows10にする前にハードウェア交換は済ませておけということかよ
— 阿野 (@Anothely) July 30, 2015
「時間出来たらWindows10にアップグレードするぜー」って考えてたけどライセンスがマザーに紐ついてパーツ交換とかすると面倒なことになるってのを見てからどうしようってなってる アップグレードした後に金貯めてからi5あたりに換装するつもりでいたのに
— ぜろしゅん (@0shun) March 23, 2016
といっても、仮に自作パソコン等で全てのパーツを交換してしまえばそれはもはや別のパソコンと言っても過言ではないためライセンス認証が切れることは仕方がないのですが、CPUを交換したりハードディスクを増設したりするだけでハードウェア変更とされ、ライセンス認証が切れたりする可能性があります。なお、マザーボード交換は同じ型番のものであってもライセンス認証が切れる模様です。自作PCを組んだ後にマザーボードを初期不良交換したところWindows 10 のライセンス認証が出来なくなったという悲しい事例もあるようです。
マザーボード故障して、交換したらWindows 10 Proライセンス無効になった!
— たなむ(TMS9918) (@tanam1972) March 5, 2016
大幅なハードウェアの変更とは?
まず、MicrosoftのWebサイトにはこのような記載があります。
ハード ドライブやマザーボードの交換など、PC のハードウェアを大幅に変更すると、その PC で Windows がライセンス認証されていない状態になる場合があります。
具体的にどのようなハードウェア交換が大幅な変更に該当するのかについては詳しく記載されておらず、Microsoftが大幅な変更と判断した場合に(ココ重要)ライセンス認証がされなくなるということになります。一応、別ページでは「例えばマザーボードの交換」との記載があります。
ノートパソコンではメモリの増設とHDDをSSDに換装するくらいのハードウェア変更しか行いませんが、Windows10ではこのハードウェア変更が大幅な変更と判断されるとライセンス認証が適用されなくなるため、買ったOSはパーになり、買い直す必要が出てきます。
パーツを交換してグレードアップしていくことが前提の設計である自作パソコンにWindows10を導入することはもはやOSを消耗品のように使い捨てる覚悟が必要になります。
Windows 7/8.1 の頃は、軽微な交換や増設等ではライセンス認証がリセットされたりOSの再インストール時にWindowsの認証が通らないということはほとんどなく、仮に認証が通らなかった場合でもMicrosoftへの電話認証で通ることが多かったと思います。
しかし、Windows 10 では「自作パソコン完成後にマザーボードを初期不良で交換したところ全く同じ型番のマザーボードなのにライセンス認証が通らなかった」という状況が発生しています。
Windows 7/8.1 の無料アップグレードでも Windows 10 のライセンス適用へ
Windows 7 / 8 / 8.1 であれば Windows 10 ほどライセンス認証は厳しくないため、7/8/8.1 を Windows 10 へ無償アップグレードしたいところですが、なんと Windows 10 の無償アップデートを行った場合も Windows 10 のライセンスが適用されてしまいます。つまり、Windows 10 の無償アップグレードを行うとその時点で元のOSである Windows 7/8.1 のライセンス条件は引き継げません。
したがって、お手持ちの Windows 7/8.1 を Windows 10 にアップグレードし、その後ハードウェア交換をし、再び Windows 10 をインストールしても認証がされないことになります。
また、無償アップグレードで Windows 10 をアップグレードした場合、電話認証による救済措置がないため、OSが無駄になってしまいます。
Q:Windows 10 デバイスのハードウェア構成を変更すると、何が起こりますか?
A:Windows 10 デバイスのハードウェアの構成を変更した場合 (例えば、マザーボードの交換など)、そのデバイスの Windows の再認証が必要になると考えられます。これは以前のバージョンの Windows (Windows 7 や 8.1 など) と同様の動作です。無償アップグレードでは、このようなハードウェア変更の認証リセットのシナリオは Windows 10 の認証に適用されません。
認証リセットのシナリオとは、Windows 7/8.1 の頃にライセンスのオンライン認証が通らなかった場合にMicrosoftのオペレーターと電話認証することでライセンスを通す方法のことで、これが Windows 10 では出来なくなったということです。
実験によると、ハードウエア構成が大きく変化したとき、無償アップグレード版は電話認証という オプションがアクティベーションから削除されます。すなわちプロダクトキーを何らかの方法で 入手してオンライン認証する以外、1年後に再インストールする事はできなくなります。
Microsoftは公式にこう言っています。「デバイスの寿命までサポートする」と。
従ってマザーボード損傷など致命的な故障を起こしたデバイスは寿命が尽きてライセンスも 自動的に無効になります。
ノートパソコンはそもそもOS自体がそのノートパソコンにしかライセンスされていないため、壊れたらライセンスが消滅するのは今までと変わりませんが、自作パソコンに関しては今までの「部品が壊れたら交換する」という方法は通用しなくなりますので、「部品交換して長期間低コストでパソコンを保有する」ためには Windows 10 は不向きということになります。
「Windows10でハードウェア構成を変更した場合、 Windowsの再認証が必要になると考えられます。無償アップグレードではハードウェア変更のシナリオは認証に適用されません。」 ・・・つまりCPUやマザボ交換したら使えなくなりますってか?クソすぎるだろ・・・おい。
— Tas.K (@TasKtan) July 30, 2015
不可抗力による修理なら救済の可能性もあるみたい
ただし、修理・故障等でハードウェアの交換が必要になった場合、Microsoftのセットアップ窓口に電話すれば認証を行える可能性があるようです。
無償アップグレード期間が過ぎた後のハードウェア変更によるライセンス認証について、Answer Deskに問い合わせてみました(参考記事:[Windows 10]アップグレード後にハードウェア構成を変更したらライセンス認証はどうなるの?)。
その結果、無償アップグレード期間が過ぎた場合であっても、修理故障等でやむを得ずハードウェア構成を変更した場合(不可抗力で構成を変更せざるを得ない場合)には、下記窓口に連絡することでライセンス認証を行うことができる、とのことでした。
——————————
セットアップ窓口0120-54-2244
自動音声ガイド:1→3→1→2
平日:9:00~18:00
土日:10:00~17:00
——————————ただし、パーツのグレードアップ等意図的にハードウェア構成を変更した場合には上記の限りではなく、OSを購入する必要があるようです。
従いまして、無償アップグレード期間後に故障によるパーツ変更でライセンス認証が求められた場合には、一度上記サポート窓口に連絡されるのが良いかと思います。
なお、ASCIIによると、パーツ交換でもこの電話認証ができるとのこと。
自作PCを使っているユーザーは注意が必要だ。自作PCでも、Windows 7/8.1ユーザーはもちろんWindows 10にアップグレードできる。しかし、大幅なパーツ変更を行うと、再アクティベーションを求められるケースがある。この場合、認証エラーが出ても電話でライセンス認証ができるとのこと。インターネット上では、「故障修理などで不可抗力の場合のみ、ライセンス認証できる」という情報が流れているが、パーツ交換でも対応に違いがなく電話認証が可能とのことだ。
しかし、新しい自作PCを組み、OSを入れる場合、元のWindows 7/8.1のライセンスはもちろん有効だが、Windows 10にアップグレードすることはできないとのこと。この場合は購入するしかない。
Windows 7/8.1 では、自作パソコンのパーツを大幅に組み替えてもライセンス認証は大抵通っていましたが、Windows 10 ではかなり厳しい可能性があります。自作パソコンを組んで初期不良交換が発生した場合、セットアップ窓口で対応してもらえる可能性はあるようです。
自作PC・仮想化ソフト利用なら今のうちに Windows 7 を買うべし
ネット上では実際にハードウェアを交換して検証したりサポートに問い合わせたりしてどこまでのハードウェア変更が可能なのか検証している有志がいますが、検証環境の違いやサポート対応者のライセンス知識の有無により差があり、確かな情報がないといえます。
可能性が高いこととしては、
- マザーボードの交換はアウト
- HDD・SSDの交換はほぼアウト
- CPU交換はグレーゾーン
- メモリ交換・増設は多分セーフ
- 電話認証の可否はケースバイケース
といったところですね。
しかし、今やネットで完結する仕事であればMacbookで事足りますし、どうしてもWindowsを利用するという需要は事務や会計などの企業の基幹業務に多いかと思いますので、ライセンスが不安定な状態で使うとコスト増に繋がる可能性がありますし、調査にかかる時間もかかります。
そんなわけで管理人はまだ Windows 7 を使ってます。延長サポートは2020年1月14日までなのでまだ4年間は利用できますし、対応ソフトが多くてバグも殆ど無い Windows 7 が仕事で使うには最適だと思います。
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2019年頃に成熟した Windows 10 にぼちぼち移行しようかな〜という感覚でいいんじゃないでしょうか(`・ω・′ )
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コメント
はじめまして。
私の場合、HDD→SSDに換装したら、一時的に認証が通らなくなりましたが、数時間放置したら、あっさり通りました。
ご参考までに。
3ヶ月前にSAMSUNG SSD 120GBからSANDISK SSD 240GBへの換装をしましたが、認証に引っかかること無く普通に使えてます。その後HDDとSSDを各3個ずつ合計6個をPC本体内に増設しましたが、特に変わった挙動はなしです。無料アップグレード終了直前ですので参考までに。自作デスクトップです。
メモリとストレージは大体増強するので実行。
気づいたら再認証を求められ、電話認証も駄目。その窓口で542244のサポートを伝えられ、電話すること多数。1h以上2回いずれもどれだけ待とうが「10人以上待ってる」→減らない→待つ目処が立たない→降参…です。
今心配なのは無料期間が過ぎた数日後、いきなり「別途料金必要です」なんて言われそうで…またブチ切れるかな?(よくあるんですよ。この会社は…)
これ要は「Windows10のパッケージ版を買えばマザーボードを交換してもライセンスが無効にはならない」ってことでいいんじゃないですかね。
Windows10はWaaSだから低コストでずっと使い続けられる、という目的ならいまのうちにWindows10のパッケージ版を1本買っておけば良いのかと。
ライセンス認証が無効になる、と、ライセンスが無効になる、は同義ではないですし。
この記事はWindows10への無償アップグレードをやってた時期のものだから、そういったアップグレードしたWindows10ユーザーしか対象にしてないんでしょうけどね。