海外旅行に日本のキャリアで契約したスマホを持って行くと「海外パケットし放題」サービスに接続され、24.4MBまでなら1日1,980円(免税)、それ以上は1日2,980円で使い放題となります。
キャリア | 名称 | 料金(1日) |
---|---|---|
docomo | 海外パケ・ホーダイ | 2,980円 |
au | 海外ダブル定額 | 2,980円 |
Softbank | 海外パケットし放題 | 2,980円 |
しかし仮に2泊3日滞在するとして、3日間の利用料は約9,000円とかなり高額になります。MVNOで半年生き延びれちゃいますね。
一方、海外の通信会社が提供するSIMカードであれば、プリペイド形式で簡単に利用でき、料金も数百円から多くとも数日間の利用で2,000円以下と非常にお得ですので、SIMカードを入れて設定するのが手間ではなく、日本からかかってくる電話の着信に応じる必要がないのであれば、現地SIMを調達しましょう!
管理人が調達したチャイナ・モバイル香港のSIMカード。このパッケージには落とし穴が…詳細は後述(°ω°)
今回は香港・マカオの両国に滞在する場合について解説します。
目次
日本での準備
まず、日本のキャリアで購入したスマホはほぼ隔日にSIMロックがかかっているため、SIMロックを解除しないと海外現地SIMどころか他のキャリアのSIMカードですら使えません。
総務省の指導によりSIMロックの解除が義務付けられたため、2015年5月以降に発売されたスマホはスマホの購入から180日(6ヶ月)を超えるとSIMロックが解除できます。
解除方法は、My docomoやMy Softbank、au IDにログインして手続きを行い他キャリアやMVNOのSIMカードを一度挿入して再起動するだけ。また、キャリアの店舗でも解除してもらえますが、有料(3,000円程度)となります。
もしくはSIMロックのかかっていないSIMフリースマートフォンを持っていけばSIMロック解除が必要ないので、AmazonでASUSのZenFone GoやAppleストアでiPhone SEを購入したすれば問題ありません。
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また、現地でキャリアSIMを取り外して現地SIMを挿入する際にスマホによってはSIMピンが必要となります。裏蓋を開けてSIMカードを抜き差しするスマホであれば不要ですが、iPhoneのように本体側面右側のSIMスロットの穴にSIMピンを差し込んで抜き差しするタイプであれば、スマホ購入時のパッケージに入っているSIMピンを持っていくか、なければAmazonで100円もかからず購入できます。こちらは4本も入って送料込み50円。
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SIMを購入するまでの注意点
SIMを現地SIMに差し替えるまではキャリアのSIMカードが刺さったままになっているので、このまま通信を行うと高額な利用料が請求される可能性があり、定額制対象となった場合でも大した通信料でなくても1日に2,980円という高額な料金が請求されます。
iPhoneの場合、設定→モバイルデータ通信で「モバイルデータ通信」をOFFにしておくか、機内モードにしておいてWi-Fiのみ(機内モードでもWi-Fiは使えます)で利用しておくことをおすすめします。
現地SIMを購入
現地SIMカードは「現地の空港」「現地の通信会社店舗」「コンビニ」のいずれかで入手可能です。管理人のおすすめは香港国際空港など空港においてあるSIMカードの自販機で購入することです。
管理人は空港でSIMカードを買い忘れ、現地のホテル周辺に通信会社店舗がなかったため、街中にあるセブンイレブンでSIMカードを調達しました。
上の赤いパッケージは5日間で1.5GBのデータ通信(と香港内での72分分の通話)が利用出来て68香港ドル(約900円)。下の青いパッケージは80香港ドル(約1,040円)分の通信ができ、5日で1.5GBを利用して48香港ドル、3G Lite(通信速度遅め?)のプランで10日間30香港ドル(約400円)となります。
ここで注意したいのがSIMの種類です。iPhone5以降に使用されるnanoSIMカードがセブンイレブン等のコンビニで売っていないケースがあります(標準SIM・MicroSIMのみ)。
管理人はチャイナ・モバイル香港(中国移動香港)が販売している48香港ドル(約630円)のSIMカードを購入。こちらは標準SIM・MicroSIM・nanoSIMの切れ込みがあり、いずれのSIMスロットにも挿入可能です。
そして今回購入したチャイナ・モバイル香港のSIMには落とし穴が!上のパッケージ写真には
$48 With $46 Stored Value
の記載があり、これは「48香港ドルで販売していますがそのうち46香港ドルは通信料としてチャージされています」という意味で、残りの2香港ドルは手数料の名目で開通時に差し引かれます。つまり46香港ドル分しか通信量の課金に使えませんが…
とっても魅力的な5日間、4G(LTE)通信で1.5GBの容量を利用できるプランが48香港ドルのため利用できません(°ω°)
期間 | 料金 | 容量 | 最大下り速度 |
---|---|---|---|
5日 | HK$48 | 1.5GB | 4GB(LTE) |
10日 | HK$68 | 1GB | 14.4Mbps |
10日 | HK$30 | 無制限 | 3G Lite(384Kbps) |
下り速度=ダウンロード時の通信速度。4G回線は理論値最大150Mbpsの通信速度。
そして差額の2香港ドルを課金するためには個人情報とクレジットカードの登録が必要になります。旅で数日使うためにクレカまで登録して2香港ドルを支払うのも嫌なので管理人は一番下の3G Liteプランを利用しましたが、速度はかなり遅めのためLINEやGoogleマップ・Webサイトの利用には特に問題はありませんが動画を見たりといった使い方は辛いでしょう。
SIMカードは次の通り。
SIMカードをよく見ると、全体は標準SIMのサイズですが、MicroSIM・nanoSIMのサイズに切り込みが入っているのが見えるかと思います。指で強く押せばパキっと割れるので、端末に対応したサイズにしたがってSIMカードを取り出して下さい(これは他のSIMも同様)。
上がソフトバンクのnanoSIM、下が切り取ったチャイナモバイル香港のnanoSIMです。
次にマカオ。
こちらは香港マカオ間を結ぶTURBO JET(噴射飛航)呼ばれる高速船でマカオへ入国する際に乗船場で販売されているThree.com.moのデータ通信SIMです。
こちらはチャイナ・モバイル香港と異なり50香港ドル(約650円)満額が通信料のチャージに利用できます。通話も可能です。
なお自販機では追加チャージのカードも合わせて販売されているため、そのカードを間違えて購入しないようにご注意下さい。
料金プランは以下のとおり。
プラン名 | 期間 | 料金 | 容量 | 下り最大速度 |
---|---|---|---|---|
Local Data Package 1 | 30日 | HK$18 | 100MB | LTE |
Local Data Package 2 | 30日 | HK$48 | 500MB | LTE |
Local Data Package 3 | 30日 | HK$98 | 1GB | LTE |
1-day Pass Package | 1日 | HK$50 | 無制限 | LTE |
3-day Pass Package | 3日 | HK$78 | 無制限 | LTE※ |
7-day Pass Package | 7日 | HK$188 | 無制限 | LTE |
※3-day Pass Packageは通信データ量が1GBを超えると下り最大速度が256Kbpsとなる速度制限があります。
なお、下り最大速度の記載はパッケージ・説明書にはありませんでした。
上記のプランを見ると、1日LTE使い放題パッケージでも1日あたり700円(1香港ドル=14円換算)と国内キャリアのパケットし放題サービスを使うよりも断然安いといえます。仮に1GBも使わないのであれば3日パッケージであれば2泊3日の旅行に利用してもわずか1,092円と1日辺り364円と格安です。
国内MVNOを国内で利用した場合の1GBの追加通信量(おかわり)が1GB1,000円程度であることを考えると、コストパフォーマンスは断然高いといえます。
SIMの初期設定をする
SIMカードを刺してその瞬間から通信が利用できるわけではありません。大きく分けて3つの設定が必要になります(・ω・)
- SIMのアクティベーションをする
- 料金プランを選択する(チャージでプラン代金の支払いをする)
- APN設定をする
同時に行うケースもあるので、通信会社毎に分けて説明します。
【香港】チャイナモバイル香港(CMHK)
まずはアクティベーションから。SIMのアクティベーション(認証手続)といっても面倒な個人情報の入力などではなく、大抵はSIMカードを刺した状態で指定された番号に電話をかけるだけです。
必要な通信プランごとに割り当てられた申請番号に電話するだけで、アクティベートと料金プランの選択を同時に行えます。
プラン | 申請番号 |
---|---|
5日間4G(LTE)通信 | *103*100*07# |
10日14.4Mbps | *103*100*08# |
10日3G Lite | *103*100*09# |
申請番号といっても電話アプリを開きキーパッドで直接入力するだけです。
入力して緑の発信ボタンを押すと、電話がかからずに申請内容がメッセージで即時に表示されます。今回は48香港ドルSIMで2香港ドル差し引かれたあとに48香港ドルのプランに申し込んだため、「すみません、チャージ額が不足しています」とのエラーが表示されました。
了解を押して再度コード「*103*100*09#」を入力します。これで登録は完了です。なお、
*#130#
この番号に電話を発信すると、現在のアカウントへのチャージ残高とSIMの有効期限(アクティベートより180日間)が表示されます(・ω・)
最後に通信を利用する際のAPN(Access Point Name)、アクセスポイント名の設定が必要となります。iPhoneの場合、設定アプリ→キャリアでキャリアの自動設定をOFFにし、希望するネットワークを選択すればOKです。
チャイナモバイル香港の場合は China Mobile HongKong の略でCMHKを選択すればOKです。
無事接続できました。下記はチャイナモバイル香港SIMでGoogle翻訳アプリを利用しています。通信速度はやや遅いけど実用には問題なし!
【マカオ】Three.com.mo(3Makau)
次にマカオのThree.com.moの場合ですが、最初に下記の設定番号に電話をかけてアクティベーション(認証)を行います。電話アプリをかけ設定番号を押し発信ボタンを押すだけです。誰かと電話するわけではなくメッセージが表示されます。
##123#
次に言語設定が必要となり、英語・中国語(普通話)・中国語(広東語)の3種類から選べます。通常は英語を選択すればよいでしょう。なお、普通話は中国本土で一般的に使用される公用語であり、北京語と似た言語となっています。広東語は香港・マカオ・中国本土の広東省などで使用されている中国語の方言のようなものです。
利用したい言語の設定番号に電話をかけます。
言語 | 設定番号 |
---|---|
英語 | ##120*1# |
中国語(普通話) | ##120*2# |
中国語(広東語) | ##120*3# |
なお、初期の段階だと設定メニューが全て中国語になっています。下記はアカウント残高を確認するコードを発信した際に表示されます(##122#に発信)。
次はプラン設定です。上記と同様に下記の表のとおりに電話番号をプッシュして発信し認証(アクティベーション)を行います。
プラン | 申請番号 |
---|---|
$18 Local Data Package 1 | **268*1# |
$48 Local Data Package 2 | **268*2# |
$98 Local Data Package 3 | **268*3# |
1-day Pass Package | **263*1# |
3-day Pass Package | **263*2# |
7-day Pass Package | **263*3# |
別途音声パッケージもありますが、国際電話の可否や通話料等不明ですので、下記の写真を参考にして下さい。
なお、パッケージ内容に関するお問い合わせは「**105#」へ電話すれば可能となりますが、恐らく案内は英語や中国語・広東語である可能性があります。
なお、Three.com.moのSIMパッケージには50香港ドルのプリペイドチャージ残高がありますが、30日間で1GB制限のプランや、3日・7日間使い放題のパッケージが料金不足で契約できないため、追加のプリペイドカード($50 International Roaming Prepaid Card)を購入し、チャージしました。
なお、残高がない状態で例えば7日パッケージ(HK$188)を申請すると…
(訳)申し訳ありませんが、あなたのプリペイドSIMのチャージ残高が不足しております。まず追加チャージをしてから再度お試し下さい。
とのエラーがSMSで届きます(緑のメッセージアプリに届きます)。この場合、まずプリペイドカードを購入し、
中身のプリペイドカード裏面の番号を硬貨で削って16桁の番号を出し、
Three.com.moのSIMを入れた状態で下記の番号に発信します。「プリペイド番号」は上記の16桁の番号に置き換えて下さい。
##122*プリペイド番号#
チャージが完了すれば英語でメッセージが表示されます。
(訳)再チャージが完了しました。あなたの携帯番号は*****です。次の有効期限は2017年1月13日です。
なお、現在のチャージ残高の確認は次の番号に発信することで表示されます。
##122#
(訳)チャージ残高:170香港ドル 有効期限:2017年1月13日 あなたの携帯番号は****です。
50香港ドルのパッケージに同額のチャージをしたので100香港ドルのはずが170香港ドルチャージされていますね。勘違いかな(°ω°)
気を取り直して3day Pass Packageの申請コードを発信すると、
アクティベートに成功した旨のメッセージがSMSで届きます。
(訳)あなたの3日間パッケージは正常に認証されました。携帯のAPN設定を「3mobile.three.com.mo」にリセットして再起動し、通信サービスを楽しんで下さい。
最後のAPN設定についてですが、チャイナモバイル香港と異なりちょっと手順が増えます。まずiPhoneの場合、設定アプリ→キャリアでキャリアの自動設定をOFFにし、希望するネットワークで「3 Makau」を選択します。
次に、設定→モバイルデータ通信を開き、「モバイルデータ通信」項目の「APN」に記載されている「mobile.three.com.mo」の頭に3を追加し
3mobile.three.com.mo
に変更します。MMS項目とインターネット共有項目の「APN」も同様に頭に3を追加します。
元々のAPNに3がついていないのが不思議ですが、この設定をしないと通信できませんのでご注意下さい。
それでも通信できない場合
モバイルデータ通信がOFFになっている可能性があります。iPhoneの場合、設定→モバイルデータ通信でモバイルデータ通信がONになっているか確認しましょう。
また、LTE回線がOFFではなく「音声通話およびデータ」「データ通信のみ」のいずれかになっているかも確認しましょう。モバイルデータ通信のオプション→LTE回線を使用に進み、
いずれかを選択して下さい。
他の方法としては、SIMカードの接触不良等も考えられるため、
- SIMカードを抜き刺ししてみる
- 端末を再起動してみる
- 端末を少し叩いてみる(軽く)
- 端末を振ってみる
- 設定を最初からやってみる
- 再びアクティベーションしてみる
などの方法を試してみるといいでしょう。
どうしても通信ができない時はキャリアのSIMに戻して再起動すれば、SMSで現地の通信会社に接続できた旨のSMSが届き、どのAPN(通信会社)を選択すればパケットし放題海外サービスの適用対象になるかが記載されていますので、そのとおりにAPNを選択して通信を行って下さい。
また、海外ではフリーWi-Fiが充実していますので、スタバや商業施設などで施設名のWi-Fiを探すのもよいでしょう。
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